2012年学校自慢エコ大賞 エコ作文部門大賞 立教小学校 2年生 伊東新之助くん
カニとぼくらの未来
「ザザザ・・・。」赤黒い小さなカニが森から海に下りてきました。

 夏休み、ぼくは湘南のおばあちゃんの家に泊まりに行きました。おばあちゃんは「かんきょうほごかつどう」をしています。

 「今夜は、めったに見られないものを見せてあげる。」と言われました。
 夕方、ぼくと、おばあちゃんと、お母さんとで三浦半島の「こあじろ」という場所に行きました。
 途中の電車の中で、おばあちゃんが、「これからアカテガニのさんらんを見に行くんだよ。」と教えてくれました。
 「アカテガニ」はふだんは森の中にかくれてすんでいて、夏の大潮の夜にいっせいに浜辺に下りてきて、たまごをうむそうです。
 
 ということで、今夜は大潮。さんらんを見ることが出来るきちょうな日です。
 駅から浜辺の近くの集合場所に行く時、ふ通の道だったのに、ある所からぼくの背丈位の草がボーボーと生えている所が続いていて、草をかき分けながらすすんで行きました。
 集合場所で長ぐつにはきかえて、浜辺に向かいました。
 なぜって、ぼくたちは海の中に入って、アカテガニが森から下りて浜辺に来るのを、海からかんさつするのです。
 日がくれて、ぼくたちは、こし位まで海の水につかりながら、とくしゅなかい中電とうを持ってアカテガニをまちました。
 カニは、話し声とかが聞こえると、びっくりして下りてこないから、しずかに、しずかに・・・・。
 
 「来たー。」
 ザザザ・・・と森の中からカニがどんどん集まってきました。
 砂浜がカニの色で赤くなってくる位、沢山のカニが大行しんしてきました。
 ぼくの心も大行しんしているくらいドキドキしました。
 砂浜でたまごをうんだカニは、一目さんに森へもどっていきます。
 たまごは、なみにさらわれて海にながされます。ゾエアとよばれるカニの赤ちゃんは小さいころは海の中ですごし、子ガ二となって森にもどるそうです。
 赤ちゃんゾエアを食べに来る小さな魚もいました。「こあじろ」の森は、昔は山仕ごとや、いねを作ったりしていました。
 今の自ぜんにもどり、アカテガニが安心して住めるようになるまでに、二十年近くかかったそうです。
 
 学校のテストはすぐに結果が出るけれど、かんきょうもんだいは、すぐに結果が出ないから、とてもむずかしいと思います。
 おばあちゃんが子どものころは、エアコンなんてなかったし、野さいは家の近くでとれていたそうです。
 ぼくらの生活が、そんな時代に、あともどりすることは考えられないし、むしろ、これからもどんどんしん化しつづけると思います。
 科学ぎじゅつを開はつする人は、かんきょうもんだいを、かいけつ出来るそうちを作ってほしいです。
 
 科学で出来ないことはない。
 科学が未来をかえるんだ。
 
 地きゅうおんだん化とか、世かいかんきょうもんだいとかいわれているけれど、地きゅうとか世かいっていわれると、ぼくたちがやっている「せつ電」や「エコキャップ回しゅう」とかって、とても小さなことに思えてしまう。
 かんきょうをこわしたのも人間、かんきょうを作っていくのも人間。だから、ぼくたちに出来ることは全ぶやってみたい。何が出来るのか考えてみたい。  
 だって、未来はぼくたちのものだから。(原文のまま)