2009年学校自慢エコ大賞 エコ作文の部 「エコ大賞」 東京都文京区立誠之小学校 3年 中村 律さん
「まだ、使えるかも知れない」
東京都文京区立誠之小学校 3年 中村 律さん 「おはよう。」わたしは、ねぼけた声でボソッと言いながらリビングのドアを開けた。
 「お、は、よう。」新聞を読んでいたおばあちゃんは、少しおどけて顔を上げた。
 今日は十二月三十一日。わたしは神戸のそ父母の家に来ている。
 寒いので、早く着がえることにした。赤いくつ下のそこ部分は、にたような赤いぬのでつぎあてがしてある。ちょっとでこぼこして、はき心地はあまりよくないが、二重になっているのであたたかい。ズボンにもひざあてがしてある。毛糸であんだうずまきだ。ひざあてが、わたしだけのとくちょうになり気に入っている。まさに、外あそびが大好きなわたしのトレードマークだ。
 朝ごはんの後、トイレに行った。そこには、におい消しとして、コーヒーのかすがふくろに入ってかかっていた。ピンクの水玉もようのふくろだ。お母さんが中学生の時着ていたパジャマのぬのでできている。
 午後になった。わたしはあそぼうと思い、リカちゃん人形を出してきた。お母さんが大学生の時着ていたワンピースが、まずわたしのワンピースになり、あまりがリカちゃんのワンピースになっている。三人の女の子に着てもらえるなんて、幸せなワンピースだなぁ、と思いながら着せかえをした。
 夜になった。わたしは、クラシック音楽のコンサートに行った。真赤な上着におそろいのズボン。三十年前、お母さんのピアノの発表会の時、おばあちゃんが作った服だ。かなりはでだけど、コンサートなら着ていける。
 「あけましておめでとう。」元旦、おばあちゃんからお年玉をもらった。
 「エーッ、なつかしい。」お母さんがさけんだ。なんとそのお年玉のふくろは、お母さんが小学生の時、おばあちゃん、つまりわたしのひいおばあちゃんからもらったふくろだったのだ。ふくろにかかれている絵を見て、
 「このキャラクターは、何。」と聞いたら、
 「ママが小学生のころはやったまん画のキャラクターよ。」と、お母さんがにこにこして答えた。
 くつ下のつぎあて、ズボンのひざあて、トイレのにおいぶくろ、人形の洋服、わたしの真赤な洋服、お年玉のふくろ、これらのリサイクルは、すべておばあちゃんのおかげだ。まだ使えるかもしれない、というおばあちゃんのせいしんが、これらの物に新しい命をあたえたのだ。
 わたしもおばあちゃんのエコせいしんを受けついでいきたい。お母さんのおさがりのべん強づくえでこの作文を書きながら、強く心にちかった。