私は小学生ですが、会社員でもあります。野菜会社「トリプル安マート」の会計としてお客様に安心・安全・安い無農薬野菜を届けるために、毎日仕事にはげんでいます。
この会社は去年の9月にできたばかりです。そこから畑を耕し、うねを立てて、種をまいてたくさんの野菜を育ててきました。野菜作りはいろんなことを私に教えてくれました。
まず、無農薬栽培がとても難しいこと。環境に優しくもの作りをするために、無農薬栽培を始めましたが、有機肥料の鶏ふんや発酵たい肥はとてもくさくて、土作りの時にはくらくらしました。野菜が育ってからも、ハクサイやキャベツにたくさん虫がついてしまうので、毎日割り箸を使って一匹一匹つかまえていました。こうした手間を省くために、野菜に農薬をかけたくなる気持ちが分かると同時に、無農薬で作られた野菜が、どんなに貴重なものか、身に染みて分かりました。
次に、商品がお店に並ぶまでに、いろんな場面でエコを考える必要があることです。抜いた野菜を洗うために、蛇口を全開にして水を出しているとき。ポスターや看板を作るために、どんどん画用紙やペンキを使っているとき。私は担任の先生に「それって、エコじゃないよね」と注意されました。商品やポスターをきれいにするためにやっているだけなのに・・・
とも思いましたが、確かにこうした一つひとつの細かいところでも、エコできることがあるのだと気付くことができました。
最後に、エコを広げていくことが難しいことです。商品を販売しながら、お客様に「無農薬で育てているので、自然にも体にもやさしいですよ。」「世界では環境破壊の影響を受けて、生活が苦しくなっている人や、絶滅しているどうぶつもいます。」と、大きな声で呼びかけています。それでも大人たちの多くが「はいはい」「あっ、そう」と冷たい反応でした。
こうした人たちの気持ちは、私も少しは分かります。いくらエコが正しいこととはいえ、普段の生活のなかでも、ちょっと気を抜くと水や電気をむだにしてしまっています。頭の中をよぎるめんどくさい気持ちにも負けないで、継続することはすごく難しいことだからです。
それでも私は、仲間と協力して、励まし合いながら、なんとか野菜を育て上げることが出来ました。地域のお祭りで販売をし、百個以上の野菜が完売したときは、とても感動しました。一人ではできないことが、仲間がいると実現することができるのです。
私たちの活動のスローガンは「今の子どもは、未来の大人。未来によりよい環境をつなごう」です。今私たちが環境について学び、仲間と力を合わせることの大切さを学んでいることは、必ず地球の未来を守ることにつながっていると思います。