産経子どもニュース「育て！子どもたち」：西洋名画●《ポール＝マルリーの洪水》アルフレッド・シスレー

2025 年（ねん） 6 月（がつ） 20 日（か）金曜日（きんようび）

第（だい）1810号（ごう） 2016年（ねん）11月（がつ）3日（にち）発行（はっこう）

西洋（せいよう）名画（めいが）
●《ポール＝マルリーの洪水（こうずい）》アルフレッド・シスレー

アルフレッド・シスレー（１８３９～１８９９年（ねん））は、フランス生（う）まれのイギリス人（じん）の画家（がか）で、印象派（いんしょうは）を代表（だいひょう）する画家（がか）のひとりです。シスレーの９００点（てん）近（ちか）い油彩（ゆさい）作品（さくひん）のうち大部分（だいぶぶん）は、パリ周辺（しゅうへん）の風景（ふうけい）を題材（だいざい）にした光（ひかり）と色彩（しきさい）豊（ゆた）かな穏（おだ）やかな風景画（ふうけいが）を生涯（しょうがい）にかけて描（えが）きました。


	冬（ふゆ）の雪（ゆき）の多（おお）い年（とし）は、春（はる）になるとセーヌ川（がわ）はよく洪水（こうずい）になりました。この絵（え）は、洪水（こうずい）のあとセーヌ川（がわ）の水（みず）がまだ道（みち）から引（ひ）かずにいる情景（じょうけい）を描（えが）いたものです。人々（ひとびと）はボートで行（い）き来（き）しているようです。右側（みぎがわ）の木立（こだち）の先（さき）がセーヌ川（がわ）。中央（ちゅうおう）に見（み）える小（ちい）さな小屋（こや）はセーヌ川（がわ）の洗濯場（せんたくば）。左側（ひだりがわ）の建物（たてもの）は今（いま）でも残（のこ）っており、１階（かい）はカフェになっています。空（そら）にはまだ黒（くろ）い雲（くも）が残（のこ）っていますが、水（みず）に映（うつ）る空（そら）は青（あお）く、ところどころにオレンジ色（いろ）の赤（あか）みがさしています。印象派（いんしょうは）の画家（がか）たちは水（みず）に映（うつ）る空（そら）や建物（たてもの）を好（この）んで描（えが）きました。シスレーは自然（しぜん）のあらあらしい情景（じょうけい）ではなく、洪水（こうずい）のあとの静（しず）かな光景（こうけい）のなかで、水（みず）に映（うつ）る光（ひかり）の効果（こうか）を追求（ついきゅう）しているのです。


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